アニマルセラピーとは

セラピーと言っても多種多様な物がありますが、アニマルセラピーとは動物とのふれあい、交流によって精神と肉体機能を向上させる”セラピー(療法)”の一種の事です。基本的にアニマルセラピーとは動物介在療法(AAT)のことですが、日本ではもう少し広義な意味で用いられ、アニマルヒーリングである動物介在活動(AAA)や、動物と触れ合うこと、自宅でペットととも生きていくことなどもアニマルセラピーの一種といわれています。広い意味では動物との関わりが人間の健康の質を向上させる場合を指します。 イヌやネコなど動物に接していると、「心がなごむ」「優しい気持ちになれる」「気持ちが落ち着く」などの経験をされた方も多いと思いますが、そういう自然な気持ちを高めることで、現代医療では治療が難しいとされている様々な病気の回復に役立つとされ、日本では主に精神的な効果に注目が集まっています。

動物介在活動

動物介在活動(Animal Assisted Activity = AAA)  AAAとは、動物とのふれあいの活動です。対象となる方の、生活の質の向上、情緒的な安定、また倫理的な教育やレクリエーションを目的として実施されるケースが多いようです。また、ボランティア活動として行われることが多く、免許を持った医療の専門家が指導しているものではありません。動物には一定の基準が必要になってきます。実施するにあたっては必ずしも医療上の専門知識や免許等が必須という訳ではありませんが、対象者が高齢者、傷病者、障害者等であるケースが多いため、特に対人マナーやボランティアとしての心得、また動物のストレスサイン等を事前に十分学習し習得しておく必要があります(現在当協会で行なっているCAPP訪問活動の多くは、AAAに該当します)。 動物介在療法(Animal Assisted Therapy = AAT)  AATは医療行為の1種になります。医療の専門家が、専門的な治療行為として行なうもので、対象者の身体的機能、社会的機能、精神面の向上・回復等を目的として実施します。多種多様の患者さんに合わせた治療目標を設定し、その目標に合わせて適切な動物を選択して実施します。治療後は効果について評価を行ないます。参加する動物はそれぞれの治療目的に沿った一定の基準をクリアしていることが必要条件になります。 ヒューマン・アニマル・ボンド(Human Animal Bond) “Human Animal Bond(HAB)”とは、「絆や人と動物との結びつき」という概念です。この言葉は1970年代から提唱されはじめましたといわれています。人と動物とは今日までは長い関わりを持ち続けてきているのに、改めて「HAB」という言葉で見直しが始められたのには、現代社会において、自然や動物とふれあう機会を失いつつあることに人間が危惧し始めた事の象徴と思われています。HABの理念は、人と動物とのふれあい(相互作用)から生まれる相乗効果を認識し、人と動物双方の幸せを作り上げ、両者の福祉を図ることです。 コンパニオン・アニマル・パートナーシップ・プログラム(CAPP)はこの理念を実現するための様々なプログラムです。

NPO法人アニマルセラピー協会

発達障害児(ダウン症候群、自閉症、脳性麻痺、精神発達遅滞、ウェスト症候群など)とその親族の方を対象にアニマルセラピーを実践しています。免許等は特になくボランティアとして専門学校生、大学生あるいは地域のイヌのオーナーさんが参加しています。また、サポートスタッフとして臨床心理士、看護師、ドッグトレーナー、研究者(行動学)が協力してチームを作っていくケースも見られます。子供たちの行動を改変させ、家族の心を穏やかにする効果が大いに期待されています。  アニマルセラピーの効果を広く多くの人たちに知ってもらい、発達障害の子供たちの療育の現場にアニマルセラピーを取り入れていただきたいという思いを強く持っています。

アニマルセラピーの歴史

アニマルセラピーの中で最も長い歴史を持つのが「乗馬療法」です。一説には古代ローマ帝国時代にまで起源をさかのぼり、乗馬が戦争で傷ついた兵士たちのリハビリに用いられていたという説もあります。ヨーロッパでは紀元前より、古代ギリシャ時代から「ケガをした人を馬に乗せる」という試みが実施されていたようです。明確な起源はわかりませんが、ギリシャで見つかった文献によると、「負傷した兵士を馬に乗せて治療した」という記述が紀元前400年頃にあったそうです。19世紀にはパリで乗馬がマヒを伴う神経障害に有効な療法であるという報告がなされ、それ以来治療法のひとつとして意識的に用いられるようになり、欧米では早くから乗馬の効用が確認され、リハビリに活用されていました。 このことから、かなり以前から漠然としたものであっても、乗馬の効力が認められていたということになります。 現在では乗馬療法は完成された治療システムとして考えられ、アメリカ、イギリス、ドイツ、オーストリア、日本など世界各国で主に身体的なリハビリを中心に治療に活かされている。 盲導犬の歴史も乗馬同様に古く、紀元前100年にさかのぼると言われ、盲目のドイツ王が盲導犬を所有していたことが古文書に記されている。ポンペイの壁画や13世紀の中国の絵巻物にも盲導犬の記述がみられます。1916年、ドイツの文献に登場するが、普及するようになったのは20世紀になってから、第1次世界大戦の際、ドイツ軍が失明負傷者のために軍用犬のシェパードを訓練したのが最初と一般的に言われています。日本に盲導犬の存在を伝えたのはアメリカである。昭和13年、アメリカのゴルドンという学生が盲導犬を連れて来日したのがきっかけで、輸入、育成しようという動きが起こり、それから20年余り進展はしませんでした。そんな中、それでも彼らはあきらめずに日本で初めての盲導犬の育成に成功したのが塩屋賢一さんです。 療養施設において治療目的で動物が導入されたのは18世紀末のイギリスのヨーク収容所において始まっておりヨーク収容所は精神障害者の収容施設で、自分をコントロールするために動物の世話が導入されたといわれています。その後今日に至るまで人間と動物の健康やその相乗効果に関する研究が進められ、現在では世界規模の国際学会も毎年頻繁に開かれています。